プロフェッショナルとは

私はカイロプラクターとしてこの仕事を続けていますが

私達のプロフェッショナルとは 例えば

「どんな症状も一回で治せる」

「見ただけでどこが悪いか分かってしまう」

「数分の施術で痛みが完治する」

こんな事ができれば まさにゴットハンドであり、プロフェッショナルなのかもしれません

私もカイロプラクティックを学び始めて まだ経験の浅かった頃は

「どんな症状もできるだけ早く治せるようになりたい」

「魔法使いと呼ばれるような世界一のカイロプラクターになりたい」

そんな風に真剣に考えていました

今はもうそんな気持ちは消えてしまったのかといえば

そう単純ではありません

数々の経験をしてきた中で 見えてきたものはそう単純ではなかったし

ある意味もっと現実を見ないとそこに立ち続けていられなかったのだと思います

完璧な完治はない

人間はロボットではないから 修理ではないし 交換もできない

「治る」というのは一生の保障ではないし

だから「完璧な完治」はない

また個人によって治るの定義は大きく異なる

痛みが無くなった状態を「治った」という人もいれば

痛みが少しでも楽になったら「治った」という人もいる

治ったといって安心する人もいれば

治ったといって また痛みが出ることがあるかと不安がる人もいる

先生に治してもらってからもう10年も坐骨神経痛が出てないんですよ と嬉しそうな人もいれば

11年目に神経痛が出てくるのではないかと心配な人もいる

さらには10年間坐骨神経痛が出ていないという方のお身体をチェックさせて頂いたら

極端に側彎を呈していた

これは完治なのだろうか 治ったといえるのだろうか

施術は誰のためにあるのか

施術をした後のワンシーンだけを切り取って「治った」「改善」ということに

何も価値はない

施術はクライアントのためであり、我々の自己満足に付き合ってもらっているわけではない

施術はそもそも一回きりのSHOWではなく 

プランに沿ってマネジメントすることでクライアントを導くものである

その為には自分のテクニックに自己陶酔するのではなく

目の前のクライアントと向き合わなければならない

向き合うとは 気に入ってもらうためでも ご機嫌を合わせるのでもなく

こちらの意図を理解をしていただけるよう対話をしていくのです

 

「一発で治してもらえると聞きました」

「一回で痛みが楽になると聞きました」

そんなお言葉はもちろん光栄ですが それは全て状況次第です

一回の施術で痛みが楽になったのは、一回の施術で痛みが楽になる状態だったからです。

でもそれが当日だけだったのか、1週間楽だったのか、1年なのか10年なのか・・・。

そしてその痛みはそもそも、一時的に痛みが消えればそれで良かっただけのことなのか。

何かの予兆だったり、どこかの病変のサインではなかったのか。

魔法の整体はない

お一人お一人、一回一回の施術に対して、真剣に向きあってきた方々であれば

必ずいつか自分の無能さに気づく日が来るのです

そもそも人が人を神様の魔法のように治すということは不可能だということを

だとしたら 自分達には何ができるのか 何をすべきなのか

そこに向き合う覚悟ができてはじめて

本当のプロフェッショナルになる為の道は始まるのだと私は思っています

 

石川貴章

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