心を込めて

子供の頃、お腹が痛い時に病院で先生にお腹に聴診器を当ててお腹の音を聞いてもらい、直接先生が手を当てて痛い場所を確認して、「大丈夫」と言ってくれると、すごく安心したような、もう帰る時にはお腹の痛みも治まったような、そんな経験が誰しもあるかと思います。

風邪を引いて寝込んでいるとき、数日寝ていればすぐに治るだろうと分かっていても、
誰かがそばにいて心配してくれていると、それだけで安心した経験もあるかと思います。

これを医学や科学によって客観的に研究し効果を立証することも現代では可能なことなのかもしれませんが、
一言で言えば「人間ってそういうもの」なのだと思います。

どんなに優れた技術も理論も、それを用いるのは人でありそれを受けるものまた人であり、人と人の関わりの中である以上、この一見抽象的ともいえる「心」というものを持っているか、それを伝えることができるか、それが何よりも大切なこと、もしかしたらこれが一番難しいことなのかもしれません。

病院でお腹を痛がる子供達に対して、優しい言葉で「大丈夫」といえる先生は、病態や診断だけでなく患者さんの不安な気持ちに心を向けることができる方々です。多忙な日々の臨床の中で誰でもできることではありません。
温かみのない「異常ありません」という言葉であったら、子供達は安心を得ることはないでしょう。

心が現れるのは言葉だけではありません。
・きれいに掃除された診療室
・快適な室内温度
・快い挨拶
・先生やスタッフの話し方
・身なりなど、

すべてに反映されるものです。

心で仕事をすることができるようになるには、決して自分を偉いとか忙しいと思わないこと。
自分は常に学ぶ機会、成長の機会を頂いているということを忘れないこと。

手技ほどに術者の心が伝わるものはありません。
自己満足の程度では心は伝わらない。
真似事ではなく、真のプロフェッショナルとしてこの道を進んでもらいたいと思っております。

IMIC石川整体インターナショナルカレッジ
石川貴章