マッサージの仕事から転職を考えている
石川先生ご相談させて頂きます。
私はマッサージの仕事をしています。 専門学校を卒業して現在のマッサージ業に就いてまだ2年目の新米 ですが、すでに手指や手首を痛めたり、 背中が慢性的に痛くて数分間のマッサージもまともに出来ないこと があります。 身体の硬い方や大きな方には特に苦戦して施術後は疲労困憊になっ てしまいます。
施術の大半は中腰姿勢で、 低い平台ベットで行っている影響なのか、 最近では腰も痛くて坐骨神経痛を感じることもあります。 私は身体が細く筋力があまり無いタイプなのですが、
マッサージ業などは向いていないのかなと転職することも含めて悩 んでいます。
石川先生のご意見をお聞きしたいです。宜しくお願い致します。
Contents
Advice
ご相談ありがとうございます。
私のアドバイスがお役に立てれば幸いです。
整体・マッサージの施術のベッドサイドを考える
まず察するに、 手の使い方の問題というよりも施術のベットサイドにうまく立てて いないということがあるかと思います。
ベットの高さ、横幅とクライアントのお身体のサイズ(厚み、 横幅)にもよりますが、 ベットと術者の間に隙間がある状態だとすると、 術者は完全に自立していることになります。
と自立した状態から前傾して手技を施そうとすると、 支点は術者の腰や背中に集中してしまうことになります。
ベッドサイトのコツ
具体的なコツとしては、 ベットに対して直角に向き合ってしまうと、 ベットと術者の間に隙間が生じやすく、 うまく自分の体勢と重心移動をコントロールすることが困難になり やすいです。
実際にはベットに対して斜め、 もしくは平行に近い角度でベットに近寄り、 後ろ足の大腿外側をベットに軽く預けると楽に立つことができます 。
足幅はベットの高さにもよりますが、 クライアントの施術部位に軽く体勢を前傾した時に手の平が届くく らいに前後に足を広げて立ち位置を取ります。
そこから軽く膝を曲げる動作と共に腰を曲げるのでは「 床に落とす」ようなイメージで重心を下げた時に、 丁度手の平に圧が加わって自然と無理なく押圧できると上手く施術 ができる基本姿勢と基本動作ができていることになります。
但し、 低すぎるベットや高すぎるベットではどうにも無理な状況もありま すので、
個人的にはきちんと術者にあったベットでの施術が基本であると思 います。
私は患者さんの体格を選ばずに施術をしなければならないので、 昇降式の高さを電動調整できるベットをいつも使用してます。
自分にあった道具を選択するのもプロの仕事の一つだと考えていま す。
手技の選択肢を増やす
お勤めの環境的にそれが難しい場合には施術バリエーションを増や すしかありません。
手技には
・CP:Contact Point(コンタクトポイント)
・SCP: Segmental Contact Point:セグメンタルコンタクトポイント
というものがあります。
CPは術者の手のどこを用いて接触するか、 SCPはCPをクライアントの身体のどこに接触させるかを意味し ています。
より大きな力を効率よく伝えようとした時に、 指先をCPとして表面積の広い箇所にコンタクトするよりも、 例えば手根の広い部分で体重をかけながらピンポイントでSCPを 定めた方が効率的な力を発揮しやすくはなります。
手技の素晴らしさとは
そもそも手技の良いところというのは、 工具箱にたくさんの工具が入っているように、 手一つあれば様々な工具に七変化できることだと私は思っています 。
七変化どころか、 100人のクライアントがいれば100通りのオリジナルの工具に なれるのが手の素晴らしさです。
力というのはいくら大きな力を持っていても、 伝え方やベクトルを誤ってしまうと10が1にもなり、 逆に上手く作用すれば1が100にもなるものです。
工具がその例です。 ドライバーやペンチなどの接地面積は極めて小さいものですが、 手指では一ミリも動かせないネジや釘でも簡単に動かすことができ ます。
ただ回す方向、引っ張る方向を間違えていれば、 やはり動かすことはできません。
基本的なベットサイドの立ち方を習得すること、 それを元に様々なバリエーションでの手技幅を広げること、 この2つが手技を用いる治療家の上達のポイントになると思います 。
実際にはより具体的なポイントや習得ポイントがたくさんあります が、今回はその導入を紹介させて頂きました。
IMICのYoutubeチャンネルでは「熟練者の手技のコツ」 もご紹介していますので、ぜひご参考になさってください。
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患者様の症状の鑑別、そして詳細な身体の分析を行い、患者様がより早く改善するように行うものです。
参考程度の動画だという事は予めご了承ください。

石川貴章。IMIC学長。石川カイロプラクティック総院長。RMIT大学カイロプラクティック学科日本校の臨床テクニック、臨床学の元常任講師。